株式会社いこらジャーナル





   




   






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☆☆☆ 参考資料 ☆☆☆


土は解明されていない小宇宙

土の化学的なことや物理的なことは分析可能ですが、微生物環境やその内容はほとんど解明されていません。それは、人が約60兆個の細胞と共生微生物約6兆個で構成されていて、そのメカニズムや免疫機能等が解明されていないことと同様です。
植物はほとんどにおいて水と空気と光で育ちますが、肥料分や栄養分を与えると良く育ちます。葉緑素による光触媒作用で光合成を行い元気に育ちますので、光は非常に重要です。人と同じで強い免疫性があると作物も害虫や病気に負けない丈夫な成長をします。
土の基本は、土そのものと堆肥と肥料分との相関関係で、主に芳醇熟成の堆肥を投入し、植物が本来持っている力を引き出し、作物が栽培しやすい環境(団粒構造の土)をつくることです。物理性から生物性へ、生物性から化学性へ連続して改善を行うことが重要です。

◇◇◇ 参 考 資 料 ◇◇◇

土成分の比重が大きくなり 仮比重1(固相重量÷全容積)のバランスが崩れているので比重の小さい堆肥を投入する比重の小さい堆肥は芳醇熟成の堆肥で微生物群も投入する
C/N比(炭素/窒素比:15〜20が標準)微生物環境が整うと根張りが良くなり 光合成量も増加するC/N比のバランスが良い堆肥とは上記の芳醇熟成堆肥
粘土腐植が発達して陽イオンを沢山持つことができることそれはCECが大きいほど沢山の陽イオンを持てるため堆肥を入れ腐植を発達させる 水素と窒素と石灰と苦土とカリのバランスが重要で塩基飽和度と対応する その比は
石灰:苦土:カリの比が5:2:1 が良い
1) 微生物資材の必要性
土は現在偏った肥料の施肥によりバランスが良くありません。有機質資材を使用しているからと言ってもリン酸や石灰が自然と多くなってしまい、過剰な肥料分で調整が旨く行っていない場合が多い状況です。活きている土は微生物が豊富にあって、酸素や水を良く通しペーハーも安定しています。微生物が多いと土は活きていますから、有機質資材を良く分解して、作物が根から吸収しやすい養分や栄養を作り出します。リン酸やカリが多くなると塩基化しやすく、分解するにはペーハーが5から6でないとしません。根から出る根酸も植物の生理活性や剪定等から出ますのでメカニズムを理解しないと旨く行きません。
2) 有機質肥料の内容
由来により性格が異なる資材の内容
(神奈川県作物別肥料施設基準)
資材の種別 有効成分量 kg/t (現物トン当たり) C/N
T−NT−PT−KT−CaT−Mg
牛  糞2.28.713.121.06.517
牛糞・おが屑0.84.99.911.44.621
豚  糞13.535.319.245.417.810
豚糞・おが屑4.218.213.128.78.414
鶏  糞16.941.028.2126.617.78
鶏糞・おが屑7.023.017.639.617.011
稲  藁1.21.04.00.70.619
剪定残渣0.00.61.710.41.933
バーク0.01.72.521.09.036
レンゲ1.70.62.73.21.218
ソルゴー0.60.57.00.61.022
トウモロコシ1.10.61.72.91.112

3) 有機質肥料を原因とする成育障害と対策
窒素飢餓や窒素欠乏(作物の黄化と成育不良)
高C/N比の有機資材を入れたため障害が発生する、対策はC/N比
20以下の資材を使用する。(窒素を追肥する)
ガス発生による障害(クロロシスや根傷みよる成育不良)
低C/N比の有機資材を入れてガスが発生する、対策は施肥後2週間
以上後に定植する。
成育阻害物質による障害(アクやリグニンによる成育不良)
おが屑入り厩肥を施肥して発生する、対策は施肥後1ヶ月以上後に
定植する。
土と培養土の違いは、手を掛けて育てるか否かで区別され、最近では肥料が入っている土を培養土と一般的に言われています。培養土は植物が手を掛けて育てられる土のことで、用土に肥料成分と土壌改良成分を混ぜ合わせ、腐熟させたものを言います。赤土や黒土等々に油粕や石灰類、家畜糞等をブレンドして山積みし良く切り返しを行い、仕上げにピートモスや砂やパーライト、バーミキュライト、植物質腐熟堆肥等を配合したものです。露地栽培であっても施設栽培であっても、栽培する土壌を培養土として考え、その作物にあった培養土を造ることが重要で土造りの基本となります。現在の土壌は、肥料成分が富み、堆肥(腐植)が少ないため痩せています。土造りは、土の環境を整えるため、堆肥と微生物量を増やすことから始めなければなりません。

◇◇◇ 参考資料 ◇◇◇

微生物資材「天然有機コーヒーバイオ」の特徴

300種類以上の微生物の集合体であるコーヒーバイオは、分解特性が高く
塩基や化学物質を分解し、アミノ酸やミネラルの吸収を助けます。その効果
で作物は生理活性し、元気で障害の出にくい環境を造ります。
1) 植物が自然から得た自分を守る力
トマトは連作障害がきつく、根から他の植物がその土で育たなくする物質を出すことは良く知られています。同様にどの植物でも自分を守るため発生する物質を持っています。この自分を守る力の物質をアレロケミカルズと言いその作用を他感作用(アレロパシー)と言います。イナゴの大群が通り過ぎても生き残る植物がニーム(インドセンダン)です。ニームは天然成分で害虫や病気に作用し、何回使用しても免疫ができないため世界中で使用されています。
2) 他感作用を発生させる資材
病害虫対策で使用されているモノは過去の経験から色々な種類があります。 日本古来から使用されて木酢や椿滓等は一般的ですが、最近はインド産のニームや中国産の茶糖(原生種のお茶の葉を糖化したモノ)が使用されています。強力な殺虫剤や農薬を使用すると生分解がされず残留する場合が多いため土造りの観点から天然成分だけでできているニームや茶糖が選ばれることになります。食べて安全で安心できる資材が求められています。
生物はどのような形をしていても栄養分を吸収して生きています。人間や植物も同様で必ず必要な栄養素があります。ほとんどの栄養素は合成が可能ですができないモノがあります、それがミネラルです。農業用語では微量要素と言われていますが、普通は害のある重金属もミネラルで吸収できるサイズとイオン化が問題です。
1) ミネラルの特徴と効果

ビタミンやアミノ酸、糖類、炭水化物等生きて行く上で必要なものがありますが、ミネラルだけは他と異なります。それは圃場に沢山施肥した石灰がカルシウムイオンになるのには長い時間が掛かるのと同様で、吸収されるサイズになってはじめてミネラルと呼ばれます。植物の場合は1ミクロン以下のサイズが条件で、微生物が活性した状態で自然に造られます。もっと分かり易く言い換えると植物が持っているミネラルを細胞から出すとできるので、堆肥や残渣を微生物が分解すると多くなります。逆に肥料成分だけを圃場に施肥し、作物を収穫するとどうしてもミネラル不足がおこります。生物にとってミネラルは重要な栄養素ですので、どうしてもなくなると勢いがなくなります。作物にミネラルを与えると急に生理活性するのはその作用が大きいです。吸収しやすいミネラルの豊富な土は微生物が常に活性していますので病害虫に強い元気な作物を育てます。

2) ミネラルの能力

ミネラルは緩衡能(かんこうのう)と言われる力を持っています。中性に戻す効果で偏ったペーハーを補正します。それは土の環境を安定させる力としても働きます。また、ミネラルと言われるサイズになると浸透性や吸収性、速効性が高まります。薬剤の点着剤や浸透剤としても広く使用されています。ただし、ミネラルは重金属ですので使用量に注意が必要です。
1) アミノ酸の効果と使用方法
アミノ酸は植物にとって最高の便利資材です。根から硝酸態窒素を吸収してタンパク質を合成するより直接吸収すればエネルギーを一行程節約できます。また、光合成によって葉で造る炭水化物もアミノ酸から窒素を取り除くだけで炭水化物ができエネルギーを節約できます。曇天が続き光合成量が落ちたときはアミノ酸があれば十分にエネルギーを調達できます。アミノ酸は作物の成長を助けラクに栄養成長を促し、炭水化物のゆとりを生むので組織が頑丈にでき活性が高まり、ミネラルの吸収も高まります。ミネラルが豊富にあるとホルモンや酵素を多くつくられ製品価値や食味等が上がります。
2) アミノ酸循環を土の環境でつくる
アミノ酸は土中ではあまり多くあるとは限りません。それはアミノ酸分解する微生物がいない圃場が多いからです。アミノ酸資材を施肥しても使い切ると分解がされないので、葉面散布したアミノ酸資材も効果を出せません。それはアミノ酸が使われる場所は根だからです。根圏にアミノ酸がないと、葉面散布で吸収したアミノ酸で根が活性しても効果になりません。微生物が活発にアミノ酸分解している土壌で、アミノ酸資材を葉面散布すれば作物が活性し、成育が早くなったり、登熟が早まり、旨味成分を多く蓄え作物の食味アップにもなります。ただしアミノ酸は悪い菌にも効果をだします。土壌に良い菌を増やすことは全てにおいて重要です。
3) 個別のアミノ酸の効果
アミノ酸は多くの種類がありますが、農業上はC/N比で分類します。低いアミノ酸は根や葉を育てる栄養成長型で、高いアミノ酸は糖質を働きがあって生殖成長型です。代表的なところで、葉菜類(小松菜や菠薐草)を大きくするのはアルギニンやグリシンで、果菜類や果樹類の実の肥大や食味アップはグルタミン酸やプロリンが効果を発揮します。下図を参照下さい。
アミノ酸名旨  味果実の肥大着  色香  り耐 寒 性耐 菌 性
グリシン   
プロリン  
クルタミン酸  
アラニン     
アルギニン     
アスパラギン酸   
ロイシン   
セリン     
リジン    
4) アミノ酸循環の発生させる
有機物や化学物質を分解する働きは、微生物に頼らなければならなことでアミノ酸やミネラルを効率よく循環させるには自然環境に対応した微生物がないと達成できません。土壌微生物の研究は21世紀のテーマで現在のところ0.2%しか解明させなく、単純培養できるのはその半分以下というのが現実です。コーヒーバイオは300種類の微生物を採取して定着させベースになっている土壌菌を合わせるとカウントできない種類の微生物の集合体です。圃場に馴染ませ、アミノ酸分解をすすめていると、葉面散布で仕上げを行っても効果が期待でき、コーヒーバイオで常に土中の分解がなされているとアミノ酸の効果が作物の生理活性という面でも効果が期待できる。